SDGsを意識したファッションとは？現状の問題点や改善策は何？

環境問題を含め現在世界が抱える様々な問題を解決することが目的の「SDGs」 は、ファッションについても意識することが求められています。
現状で見るべき問題点から、SDGsを考えたファッションの改善策は何かを解説します。
私たちが日常で着ている服に隠されている社会の課題に気づけると、服の購入や使い方への変化が生まれるでしょう。

SDGsでファッションにある問題点について

SDGsを考えなくてはいけない現状のファッションにある問題点は、多くの人が気軽に服を手頃な値段で買える状態が原因になっていると言えます。

消費・廃棄され過ぎている
服に関して見ると世界的に大量生産により値段が安いファストファッションが広がり、一人当たりの消費・廃棄する量が増え過ぎています。
物が少なかった昔はどの国でも服は貴重品で大切にされていましたが、現代では服を気軽に好きなときに購入できるので飽きたらすぐに捨てられやすいです。
1年間で廃棄される服の量は世界全体で約 9,200万トン、日本の場合だけでも約50万トンにもなるのです。

自然環境にかかる負担
世界的な服の消費・廃棄量が膨大になればなるほど、自然環境にかかる負担もどんどん大きくなっていきます。
次から次と新しい服を作るために原材料が消費されれば、ファストファッションは合成繊維が多く使われるので作る中で有害なCO2が大量に出てしまうのです。
廃棄された服を処分するために燃やす場合にも、CO2の排出量が多くなってしまいます。
自然環境の破壊に繋がる他にも、服作りに関わる人の人権や労働環境の問題もあるのです。
SDGsで問題とされる要素が、現在のファッション業界には多くあります。

SDGsになるファッションの改善策は

問題点を多く抱えたファッションの現状をSDGsの観点から改善するには、服の一つ一つを大切にする・自然環境を考えた服作りをすることが必要です。

服のリユース
服は処分しないでリユースする流れを作り、まだ着れる物を繰り返し使い続けるようにします。
服を使い続けていると新しく生産される服の減少対策になり、原材料の消費を抑えられます。
ゴミとして燃やされる服の量も減るので、効率的にCO2の排出量を減らすことが可能です。
リユースの方法は古着にリサイクルするだけでなく、傷やほころびがある部分をお直しして着るなども含まれます。
服のお直しについてお裁縫に自信がないので難しいというときは、クリーニング店に持ち込み「リペア・リメイク」をお願いしましょう。

エシカルファッション
自然環境・人権・労働環境に害のない服作りを行う「エシカルファッション」、服を購入する際にこのような取り組みがされている物を選ぶこともおすすめです。
様々な面で負担が発生しない服作りが広がっていけば、ファッション業界自体の構造もSDGsを心がけたものに変わっていくでしょう。
エシカルファッションの商品は値段が高めになりますが、品質が良いので長く着られてお得になります。

SDGsファッションに積極的な国内ブランド

SDGsを意識したファッションに積極的な国内ブランドも増えてきているので、そのブランドの物を買ってみるのも個人で行えるSDGsとなります。

Annaut
Annautはデニムを製造する過程で出る裁断くずを糸にしてデニム生地を作り、服の原材料で廃棄される部分を活用しています。
デニム生地に染料で色付けするなどの加工は行っていなく、服作りに使う水を少なくする配慮がされています。
服を回収して生地に再利用する取り組みがされていて、服のリユースにも力を入れているブランドです。

MERCI
MERCIの服は原材料から製造まで全て日本国内で行われていて、SDGsの目的にある「地産地消」を実践しているブランドです。
服作りに関して人や資源のためなどを幅広く考えた目的意識を持ち、人と環境にやさしいファッションを手がけています。
流行を追わず長く使い続けられる品質の良い服作りを心がけており、アパレルブランドの中でもSDGsを特に強く意識しています。

NAGIE
NAGIEはサスティナブルのために立ち上げられたブランドで、大量消費に繋がるファストファッションのような大量生産は行っていません。
オンラインサイトでの限定受注生産を行い、必要とされる分だけの服を提供するようにしています。

PeopleTree
PeopleTreeは途上国の生産者と先進国の消費者の間で公平な取引を行う「フェアトレード」を取り入れています。
フェアトレードにより自然環境・労働環境への配慮がされた服作りがされ、SDGsにおけるファッション業界の課題を果たしています。
服などの他にも雑貨・食品・書籍・ギフトも扱っているので、ファッション以外にも活用できるブランドです。

まとめ

SDGsを行うべき問題点が現在のファッションにはあり、世界的にファストファッションが広がりを見せていることで自然環境に負担がかかっています。
服の無駄遣いをしないリユースやエシカルファッション、SDGsを意識しているブランドの物を選ぶなどが有効な改善策となります。
服を着るときに「この服はどう作られているのか？」、「捨てたら環境にどう関わるのか？」を自分も意識して服を大切に着るようにしましょう。