隠れ貧血とはどんな貧血?隠れ貧血の検査・改善方法を紹介

貧血の症状といえば、めまいやダルさが特徴的です。心当たりがある結果、検査してみたら貧血だったという人も少なからずいると思います。国民の約10人に1人の割合でいるともいわれており、貧血症状に心当たりがある人も多いのではないでしょうか?

ですが、いざ検査をしても貧血判定にならない場合もあります。貧血はヘモグロビンの数値によって決定しますが、検査した結果は正常値であり、異常は見当たりません。

そのような場合、貧血の原因は別にあります。隠れ貧血と呼ばれる症状であり、一般的な貧血とは事情が少し異なるのです。

隠れ貧血の原因は何なのか。検査方法や改善方法など、隠れ貧血について紹介します。

隠れ貧血とは

隠れ貧血とは、血液検査では発覚しない隠れた貧血の事です。血液診断上では問題ないのですが、立ち眩みや息切れといった、貧血特有の症状をきたします。

本来、貧血はヘモグロビンの濃度によって判断されます。男性の場合は13.0g/dl以下、女性は12.0g/dl以下の場合に、貧血と判定されるのです。

ですが、隠れ貧血ではヘモグロビン濃度は下回っておらず、一般的な平均値を示します。そのため、血液検査(健康診断)では隠れ貧血を見抜くことができず、貧血である事を見逃してしまうのです。

隠れ貧血の原因

隠れ貧血となる原因は、主に血清鉄やフェリチンの値が低下していることが挙げられます。

血清鉄とは、鉄分を作るための原料のことです。そしてフェリチンは、鉄分の貯蔵や鉄分濃度を維持するための働きがあります。それぞれの成分が不足してしまうと、十分に鉄分が生成されず、貯蔵ができなくなってしまいます。

本来なら、ヘモグロビンとして消費されたうえで貯蔵鉄が残りますが、貯蔵ができないことから、ヘモグロビンを生成したら貯蔵鉄が残りません。そして、肝臓や脾臓に蓄えられている貯蔵鉄が減少することで機能が低下し、立ち眩みやダルさを感じるのです。

また、数値上は足りているとはいえ、ヘモグロビンの生成も常にギリギリの状態となります。そのため、ちょっとでも栄養バランスが崩れてしまうと、簡単に貧血判定となるでしょう。

隠れ貧血とは貧血予備軍と同じであり、迅速な対処が求められます。

隠れ貧血の症状

隠れ貧血も、基本的には貧血と同じ症状がでます。立ち眩み、息切れ、めまい、ふらつき、頭痛、胸の痛み、動悸などが生じるようなら、貧血はもちろん、隠れ貧血の可能性を疑ってください。

また、疲れやすいのも貧血である特徴の一つです。「歳だから」「運動不足だから」といって片づけず、「自分は体力がない」と感じる人は、貧血を疑ってみると良いでしょう。

隠れ貧血の検査方法

隠れ貧血を調べるためには、血液検査とは別にフェリチン検査が必要です。一般的な血液検査にはフェリチンの項目が含まれていないため、追加で検査する必要があります。

隠れ貧血を調べる際には、そのことを医師に伝え、検査を希望してください。

また、フェリチンの数値を自宅で調べられる、フェリチン検査キットも販売しています。病院へ診察に行く時間のない人は、検査キットを活用するのもおすすめです。

隠れ貧血の改善方法

隠れ貧血を改善するには、鉄分を摂取すると良いです。一般的な貧血とは原因が異なりますが、同じ「鉄分が足りていない」事には変わりありません。一般的な貧血対策によって、隠れ貧血も治療できます。

鉄分が豊富な食べ物には、レバー、赤身肉、ひじき、ほうれん草などがあります。献立に取り入れ、積極的に摂取してください。

また、サプリメントによる摂取でも問題ありません。手軽かつ効率的に、鉄分を摂取できます。忙しく食事を作る暇がない人は、サプリメントで補給すると良いです。

他にも、亜鉛、銅、葉酸、ビタミンB6なども、ヘモグロビンや血液形成に必要な栄養素です。鉄分以外にも、合わせて摂取しましょう。

貧血の改善にはストレスの発散も大切

貧血を改善するには、ストレスの解消も重要です。ストレスがあることで自律神経が乱れてしまい、その結果、胃や腸の働きが悪くなることで鉄分の吸収も悪くなります。

鉄分の吸収率が悪いままだと、いくら食事によって鉄分を補給しても、貧血は改善されません。貧血を改善するためには、十分な休息や適度な運動といった、ストレスをためないための生活習慣が求められます。

また、ストレスがあることで、ストレス性貧血としても間違われやすいです。「ストレスを解消しても貧血が改善されない」ことで、さらに隠れ貧血が謎に包まれてしまうでしょう。

ストレスは他にも、ダルさや頭痛といった、貧血に似た症状もひきおこします。隠れ貧血の発見を遅らせないためにも、日ごろからストレスをためない生活をしてください。

まとめ

隠れ貧血の原因は、貯蔵鉄の不足にあります。血清鉄やフェリチンが不足することで貯蔵鉄が減少し、その結果、貧血と同じ症状が生じます。

同じ鉄分の不足が原因ではありますが、ヘモグロビンは足りているため一般的な血液検査では気が付きにくいです。調べるためには、一般的な血液検査とは別にフェリチンの検査を依頼する必要があるでしょう。

とはいえ、改善方法は一般的な貧血と同じで、貯蔵鉄分の鉄分も摂取することです。レバーやほうれん草などを積極的に摂取し、鉄分を補給してください。

「健康診断では異常がなかったけど、めまいや疲労感がある」場合には、ぜひ隠れ貧血を疑って、フェリチンを検査してみてください。

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