悪霊・悪魔の違いとは？悪霊と悪魔の意味について紹介

人に害をなすと知られる悪霊や悪魔。どちらも漫画やアニメなどに登場することから、知る人も多いことでしょう。

ですが、それらに登場するキャラクターはサブカルチャー的存在であり、詳しく知らない人も多いと思います。特に、悪魔は種族として描かれていることが多く、海外では悪霊と同一視されてることを知らない人がほとんどです。

この記事では、そんな悪霊や悪魔について紹介します。

悪霊と悪魔ってどんな存在？

悪霊と悪魔は、主に以下のような存在として知られています。ただ、宗教や国によって考え方は異なりますので、一つの参考として理解してください。

悪霊とは

悪霊とは、負のエネルギーを放つ成仏できない霊のことです。生前、もしくは死後に負のエネルギーに晒されることで魂が変異し、悪霊となります。

人は、亡くなることで霊となり、四十九日を待って天国へと旅立ちます（成仏）。四十九日とはあの世へ行くための審判期間であり、審判結果によって死後の行き先が変わるのです。

ですが、怨みや妬みといった負のエネルギーが強いと、成仏することができず、この世に魂が残ってしまいます。そして、負のエネルギーが強いことから生者を恨むようになり、生者を害する存在となるのです。

また、たとえ成仏したとしても、生前の行いが悪いと地獄に送られてしまいます。地獄は罪を洗い流す場所ですが同時に過酷さもあり、その過酷さに耐えられない魂が変質して悪霊となってしまうのです。

怨霊と悪霊の違い

怨霊とは、怨みを持つ霊のことです。生前に強い怨みを持ったまま亡くなることで、怨みを持つ霊として生者を害する存在となります。

悪霊との違いは、害する対象の違いです。怨みとは特定の人物や出来事に対する念であり、怨霊になった後も、特定の人物や出来事に対して害を与えます。

一方悪霊は、怨霊のように害する相手が決まっていません。悪霊とは「悪いことをする霊」の総称であり、対象を問わず生者に害を与えます。

つまりは、悪さをする霊の全般が悪霊であり、その中でも特定の人物や出来事に対して害を与える存在が怨霊といえるわけです。

悪魔とは

悪魔とは、長い年月によって変化した霊体のことです。何百年何千年と地獄で罰を受けた結果、すべてのことを恨むようになり悪魔へと昇華します。当然、その怨みは強く、悪霊以上に害をなす存在といえるでしょう。

また、悪魔は生者も強く恨んでおり、地獄へ落とそうと地獄から抜け出し、生者に憑りつきます。悪魔に憑りつかれた人は悪魔に考えを支配され、悪事を働くようになります。よく残酷な人のことを「まるで悪魔のようだ」と比喩しますが、ある意味正しいのかもしれません。

海外によっては悪魔と悪霊を同一視する場合もあり、広義の意味としては、悪霊と悪魔は同じ存在といえるでしょう。

仏教における悪魔の意味

悪魔と聞くと海外の存在のように思えますが、実は仏教の教えにも悪魔が登場します。

魔とは「超常的な力を持って悪事を働く」存在のことを指し、仏教では魔の存在のことを「魔羅」と呼びます。

魔羅は、修行僧に煩悩を与え、修行を害する存在です。魔羅（悪魔）に憑りつかれると、煩悩のままに行動し悪事を働くようになります。

「ふとしたきっかけで普段はしない悪事をこなす」ことを「魔が差す」と表現しますが、語源はこのことからきています。

西洋宗教における悪魔の意味

キリスト教などでは、悪魔は神の敵対者として知られています。人を導くのが神だとすると、人を惑わし迷わせる存在が悪魔というわけです。

また、ただ神に敵対するだけではなく、人を堕落させ、仲間を増やすことも目的としています。堕落することで神の教えから外れ、悪魔の一員となってしまうのです。

ほかにも、神が堕天した存在も悪魔と呼称され、総じて、神に反逆する存在が悪魔と呼ばれています。

悪霊・悪魔を防ぐためには

悪霊や悪魔を防ぐためには、正のエネルギーを保つことが大切です。正と負は反発する存在であるため、悪霊や悪魔が放つ負のエネルギー以上の正エネルギーがあれば、悪霊や悪魔から身を守ることができます。

方法はいろいろありますが、最も大切なのは健康でいることです。正のエネルギーは生命力に関係し、生命力が強いほど正のエネルギーが満ち溢れます。

また、健康的な生活をすれば、精神も安定しポジティブになれます。「魔が差す」こともなくなり、安定した生活を送れるでしょう。

とはいえ、人である以上は煩悩があり、自身が放つ正のエネルギーにも限界があります。強い悪霊や悪魔の場合だと、ただ健康でいるだけでは防ぐのが難しいです。

より強い悪霊や悪魔から自身を守るためにも、瞑想や除霊、専門家による除霊なども試してみてください。

ほかにも、悪霊に憑りつかれないよう、悪霊が溜まりやすい場所には近づかないことも大切です。

まとめ

悪霊とは人に害をなす霊体のことであり、悪魔は悪霊が昇華した存在になります。どちらも人に害をなすことは変わらず、憑かれるのを防ぐべき存在といえるでしょう。

ただ、宗教や国によって、考え方は変わります。同じ「人に害をなす存在」であることは同じですが、悪魔を概念や邪神と捉える場合もあり、ある意味明確な答えはないともいえます。

悪魔を種族として捉える近年の考え方も、一種の煩悩が具現化した姿なのかもしれません。

悪霊や悪魔は、ひ弱でネガティブな人ほど憑りつかれやすいです。「魔が差す」ことがないよう、健康に気を付けた生活を送ってください。