インナーチャイルドとは？癒し方についても紹介

自分は、「価値がない」と思っている人はいませんか？「人や社会が怖い」ことから内気となり、「みんなと同じようにできない」ことから、自分のことを「ダメなやつ」と嘆いている人もきっといるでしょう。その結果、社会が生きづらく、引きこもってしまう人も少なくはありません。

そのような人は、もしかしたらインナーチャイルドの可能性があります。内気で引きこもりがちな性格には原因があり、対処することで改善できるかもしれません。

インナーチャイルドとはどのようなもののことを指すのか。特徴や改善方法について紹介します。

インナーチャイルドとは

インナーチャイルドとは、子供の頃に負った、負の感情のことを指します。直訳すると「内なる子供」といった意味があり、大人になっても、負の感情が残ったままであることを意味します。

本来、人は成長につれ変化する生き物です。肉体だけではなく、価値観や考えなども変化し、それらを含めて「大人になる」といえるでしょう。

ですが、子供の頃に強いストレスを受けることで、そのストレスがトラウマとして残ってしまいます。その結果、トラウマが成長の妨げとなり、歪んだ大人へと成長してしまうのです。

価値観や考えが未熟である、もしくは他の大人と比べ異なることから、社会で問題となる事例も珍しくはありません。社会から爪弾きもされやすく、本人は生きづらさを感じてしまいます。

アダルトチルドレンとの違い<／h3>

アダルトチルドレンとは、「大人になった子供」といった意味の言葉です。苦しい家庭環境によってトラウマが植え付けられ、歪んだ精神状態のまま、大人になった人のことを指します。

インナーチャイルドとの違いは、「感情と対象の違い」です。アダルトチルドレンは「子供の頃に負ったストレスを抱えた状態」のことを指し、インナーチャイルドは「歪んだ大人になった子供の頃のストレス」のことを指します。

大まかにまとめると、「インナーチャイルドが原因でアダルトチルドレンになった」といった感じです。

そのため、インナーチャイルドの解決は、アダルトチルドレンの改善にもつながると考えられています。

どちらも内容が似ており親密な関係にありますが、意味する対象は別であることを知っておきましょう。

ピーターパン症候群との違い<／h3>

ピーターパン症候群とは、パーソナリティ障害の一種です。ピーターパンとは、有名な戯曲（小説）である「ピーター・パン：大人にならない少年」のことであり、子供の心を持ったまま大人になった人のことを、ピーターパンの世界観にかけてピーターパン症候群と呼びます。

インナーチャイルドとの違いは、「本人による意志の違い」です。インナーチャイルドは「外部から与えられた影響」が関係しているのに対して、ピーターパン症候群は「本人が望んだ意思」によります。

大まかにまとめると、インナーチャイルドは「成長できない」ことに対して、ピーターパン症候群は「成長しない」といった意味になるでしょう。

どちらも。「子供の部分が残った大人」ではありますが、至った経緯が異なります。

インナーチャイルドの特徴

インナーチャイルドの、主な特徴について紹介します。

自己否定的<／h3>

インナーチャイルドは、自己否定的な場合が多いです。子供の頃のトラウマが原因であり、自分に自信を持つことができません。たとえ意見を言っても、反対意見や疑問が出ると、すぐに意見を撤回してしまいます。

また、自分自身のことも信じられず、意思を持って行動することも苦手です。行動には常に不安がまとわりつき、自信を持って行動ができません。その結果、成果を残せず、さらなる自己嫌悪に陥ります。

対人恐怖<／h3>

インナーチャイルドは、人付き合いを苦手とします。子供の頃のストレスから「他人は自分を傷つける」と考えてしまい、その結果、他人に対して臆病になるのです。

特に、大人や押しが強い人が苦手です。相手は普通に接しているつもりでも、恐怖や苦手意識を感じてしまいます。

また、苦手とする様子が、相手からはおどおどした態度に見え、悪印象を与えます。本人としては人付き合いをしたくても、相手からの印象は悪く、関係は悪化するばかりです。

恋人や友達に関しても、「裏切るのではないか」「嫌われるのではないか」と言った感情が生まれ、積極的に付き合いにくいです。

コミュニケーションが上手くいかないことで、孤独感を感じてしまいます。

他人の顔を気にする<／h3>

対人恐怖があることで、他人の顔を気にするようになります。他人に嫌われないようにするため、自己犠牲をしてでも「良い子」を演じるのです。

八方美人といえばよく聞こえますが、実際には、対人恐怖があることで誰とも上手くいきにくく、孤独感を感じます。

そして、最終的には人を信じられなくなり、自分の殻に閉じこもってしまうでしょう。

感情も乏しくなり、毎日がつまらなく、辛いと感じてしまいます。

インナーチャイルドを癒すには

インナーチャイルドは、決して治せないものではありません。大人になってからでも、癒すことができます。

インナーチャイルドを癒すには、どのような方法を取れば良いのでしょうか？

自覚する<／h3>

まず大切なことは、インナーチャイルドであることを自覚することです。今までの出来事を振り返り、自身のインナーチャイルドとなる部分を把握します。

「どのような出来事で、どのような感情を抱くのか」が分かることで、原因部分を見つけられます。

また、振り返った内容をノートにまとめることも大切です。外記憶としてまとめることで、客観的に物事が見られ、より正しく状況を分析できます。

他にも、家族に話を聞くなど、多角的に分析してみましょう。

出来事を明確にする<／h3>

次に、当時の状況を見直します。昔と今では考え方や感じ方が異なっているからです。昔は嫌だったことでも、今考えれば「なんてことはない」ことはよくあります。

振り返ってみた結果、「こんなことで悩んでいた」と思い直せることもあり、それだけで改善されることもあるでしょう。

また、大人の立場になって考えることも大切です。子供の時は理不尽に感じても、大人の立場で考えたら正しいことも珍しくはありません。

「親や周囲から攻撃されていた」ことを否定することで、気持ちの折り合いがつけられます。

負の感情を出し切る<／h3>

最後に、負の感情を吐き出すことです。「嫌だったこと」「言いたかったこと」「望んだこと」など、感情を吐露することで、気持ちの折り合いをつけます。

振り返った結果、たとえ大人が正しかったとしても、心は納得しません。特に、トラウマになるような出来事は強烈であり、簡単には心が開かないでしょう。

そんな時は、心の声を言葉にして吐き出します。不満を吐き捨てることで、気持ちがすっきりして開放的になれるのです。相手が必要な場合は、ぬいぐるみなどに向かって話すのでも良いです。吐露するのが苦手な人は、ノートなどに書き出しても良いでしょう。

子供の頃言えなかったことを、気が済むまで吐き出してください。

諦めるのではなく見つめ直そう<／h2>

インナーチャイルドは、子供の頃のトラウマが原因で生じる精神的齟齬です。トラウマが原因で成長に齟齬が生じ、大人になって生きづらさを感じます。

改善するためには、原因を容認し、見つめ直すことが大切です。トラウマをただの思い出にすることで、乗り越えることができます。

トラウマが解消されれば、人や社会を怖がらなくなり、自分に自信が持てます。やりたいことも見つかり、人生が大きく変わることでしょう。

インナーチャイルドの特徴が少しでもある人は、過去を見つめなおしてください。自分1人では難しそうな人は、カウンセリングを試すのも良いです。自分1人で頑張る必要はありません。

自分の性格を諦めるのではなく、トラウマを乗り越えることで良くしていきましょう。

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