歯周病対策に必要なこととは？そもそもなぜ歯周病になるの？

歯茎が赤く腫れる歯周病。「国民の8割が歯周病」といった話もあり、「現在は、自分は歯周病になっている」といった人も珍しくはありません。

とはいえ、見た目的には赤く腫れていても、痛みはないことから放置している人も少なくはありません。「そのうち治る」と考えている人もいると思います。

ですが、歯周病は症状が進行することで痛みが増す疾患です。場合によっては、抜歯が必要となるため、未然に対応する必要があります。

歯周病とはどのような病気なのか。歯周病の原因や対策と合わせて紹介します。

歯周病とは

歯周病とは、最近が原因で感染する炎症性疾患のことです。歯の周辺に細菌が繁殖し、骨や歯茎などを溶かすことで炎症反応を生じさせます。

また、歯周病は大きく「歯肉炎」と「歯周炎」に分けられます。歯肉炎は歯茎が炎症する症状であり、歯周炎は歯茎だけではなく、葉を支える歯槽骨まで症状が進行している状態です。

基本的には、歯肉炎が先に発症し、歯肉炎が重症化することで歯周炎になると思ってください。

歯周病の症状

歯周病になると、炎症反応を起こし歯茎が赤くなります。ただ、出血することはあっても歯肉炎の段階では痛みはほとんどなく、炎症に気付かないことも良くあります。

厚生労働省がまとめた情報によると、約4割の人が歯肉出血や4㎜以上の刺繍ポケットを有しており、身近な症状であることが分かります。

さらに、2011年に実施した歯科疾患実態調査では、少しでも歯肉出血・歯石・歯周ポットのいずれかが認められた場合を歯周病の疑いがあると判断し、「国民の8割が歯周病」といった評価も発表しています。

気が付いていないだけで、自分や家族に歯周病（歯肉炎）が発症している可能性も十分あり得るでしょう。

ですが、症状が進行し歯周炎になると、痛みも生じるようになります。歯のぐらつきや膿も出るようになり、さらには、膿が原因で口臭も酷くなるのです。

痛みからかむ力も弱くなり、食事も満足に行えなくなります。生活に甚大な影響を与えることから、早急な対応が求められます。

参考：e-ヘルスネット「歯周疾患の有病状況」

歯周病の原因

歯周病は、主に食べ残しが原因で発症します。食べ残しによってプラークが生じ、プラークが固まることで歯石となります。そして、歯石内で細菌が繁殖することで歯周病になるのです。

また、特定の病気が原因で歯周病になる場合もあります。プラークは糖分によって生成されやすく、糖尿病になって血糖値が上昇するとプラークが生じやすくなるのです。糖尿病によって血行不良になることも、腔内環境が悪くなり細菌を発生させる原因となります。

他にも、ホルモンバランスが乱れることでも血行が悪くなります。ホルモンバランスは自律神経の乱れが影響し、喫煙やストレスなどが原因で悪化します。

歯周病対策

歯周病は防ぐことのできる症状です。普段から対策を心がけることで、歯周病はもちろん、歯肉炎も防ぐことができます。

歯周病にならないためにも、毎日心がけるようにしてください。

歯磨きをする

最も大切な歯周病対策は、歯磨きをすることです。食べかすやプラークをしっかり除去することで、細菌の繁殖を防ぐことができます。

プラークを除去すれば、歯石となり細菌が繁殖する心配もありません。歯磨きはもちろん、歯間ブラシやデンタルフロスなども活用して、口腔内を隅々まで綺麗にしましょう。

食生活に気を付ける

食生活を見直すことも、歯周病対策になります。糖質を減らしたバランスの良い食事を摂ることで、プラークの生成を軽減します。糖尿病を始めとした生活習慣病も予防でき、血行不良の心配もなくなるでしょう。

また、しっかり噛むことで、歯茎が刺激され血行が促進されます。きんねんは柔らかい食べ物が多く、昔と比べ噛む力が弱まっているそうです。噛むことを意識した食事をすることで、血行促進による歯周病対策を目指しましょう。

ストレスを溜めない

歯周病対策には、ストレスを溜めないことも重要です。ストレスは自律神経の乱れとなり、血行不良の原因となります。

ストレスを発散するためにも、適度な運動や十分な睡眠を意識するようにしてください。

喫煙をする

喫煙は、ししゅうびょうとなるおもなげんいんの1つです。ニコチンは、自律神経の交感神経を刺激し、興奮状態を誘発させる性質があり、血行不良の原因となります。

腔内環境を悪くしプラークを生成する原因となるため、可能なら禁煙をしてください。

歯周病の治療方法

いくら対策をしていても、歯周病になってしまうことはあると思います。その場合には、どのように治療をしていくのでしょうか？

歯肉炎の治療

軽度の歯周病（歯肉炎）の場合は、正直な話、できることが少ないです。基本的には歯磨き指導が行われ、対策を続けていくことが重要になってきます。

また、歯石が出来ているようなら、歯石除去も行います。ただ、あくまでも最近の温床となる歯石を除去するだけですので、そのままでは再び史跡ができてしまうでしょう。

歯石を作らないためにも、しっかりとした歯磨きや生活習慣の見直しが必要です。

歯周炎の治療

重度の歯周病（歯周炎）になると、歯石を除去しただけでは症状が改善されません。すでに歯槽骨まで症状が進行しており、歯周ポケットの中まで治療する必要があります。

そのためには、骨や歯周組織を再生させる能力が必要です。主に歯茎を切開して歯周ポケットを減らす治療法であり、同時に、誘導薬剤を注入して組織の再生を図ります。

ただ、状態によっては再生が難しく抜歯になる場合もあります。簡単に抜歯が選ばれるわけではありませんが、重度の歯周病になると、抜歯になる可能性があることを知っておきましょう。

歯周病対策には定期健診も重要

歯周病対策には、定期健診もおすすめです。専門とする医師が確認することで、重度化する前に歯周病を発見することができます。

歯周病は重度化すると怖い疾患ですが、重度化する前に対処できれば、決して怖い疾患ではありません。そのためにも、毎日の歯磨きなどの対策が必要です。

老後もしっかり歯が残せるように、若いうちから歯磨きや生活習慣に気を付け、対策を習慣化していきましょう。