オーガニックコットンのメリット・デメリットは？一般的なコットンと何が違うの？

コットンといえば、保温性と通気性が特徴の生地です。肌触りも良いことから、衣類の生地として主に使用されています。

そんなコットンですが、近年では「オーガニックコットン」が注目されています。一見すると一般的なコットンと同じように思えますが、オーガニックだとどのような違いがあるのでしょうか？

オーガニックコットンのメリットやデメリットはなんなのか。一般的なコットンとの違いについて紹介します。

オーガニックコットンとは

オーガニックコットンとは、有機栽培によって育てられたコットン（綿）です。虫除けのための殺虫剤や腐葉土を作るための落葉剤といった化学肥料は使わず、牛糞などの天然肥料のみを使って育てます。

そのため、一般的な綿花栽培とは異なり、とても手間暇がかかったコットンです。

また、オーガニックコットンを名乗るためには国際的な認証基準を満たす必要があり、つまりは、「オーガニックコットン」自体が、世界的に認められた一種のブランドともいえるでしょう。

オーガニックコットンのメリット

オーガニックだからといって、一般的なコットンとは何も違いはないと思うかもしれません。ですが、実際には以下のようなメリットがあり、多くの人たちから好まれています。

肌に優しい

一つ目のメリットは、肌に優しいことです。元々コットンは肌触りが良く肌に優しい素材ですが、化学肥料を使わないことで繊維が柔らかくなり、一般的なコットンよりも肌に優しくなっています。

化学肥料を使うと、繊維は痛み毛羽立ってしまいます。毛羽立つことで繊維の先端が尖ってしまい、人によってはチクチク感じてしまうかもしれません。

ですが、化学肥料を使わなければ繊維は傷まず、柔らかな繊維に仕上がります。繊維が尖ることもないため、チクチクした感覚もありません。

肌への刺激がほとんどないことから、敏感肌や赤ちゃんにおすすめできる素材といえます。

保温性が高い

二つ目のメリットは、保温性が良いことです。元々保温性の良いコットンですが、化学肥料を使わないことで繊維がしぼまず、高い保温効果を発揮します。

化学肥料を使うと、繊維が傷つき繊維の中の空洞がしぼんでしまいます。ですが、化学肥料を使わなければ繊維は傷まず、繊維の空洞も残ったままとなります。空洞部分があることで空気の層が作りやすくなり、それによって高い断熱効果が期待できるのです。

また、空気を含むことで繊維が広がり吸湿性も良くなります。同時に通気性にも優れるようになり、汗をかいてもすぐに吸収してくれるでしょう。

環境に優しい

三つ目のメリットは、環境に優しいことです。化学肥料を使用しませんので、環境を汚す心配はありません。

近年は、環境保全を目的としてSDGsが浸透しています。オーガニックコットンを選ぶことは、環境保全への取り組みを支持することにつながるでしょう。

オーガニックコットンのデメリット

コットンの良さをさらに良くしたオーガニックコットンですが、デメリットとなる部分も存在します。

値段が高い

一つ目のデメリットは、一般的なコットン製品と比べて値段が高いことです。化学肥料を使ってないことから製品には手間がかかっており、その分のコストがかかってしまいます。

もちろん、目が飛び出るような金額ではなく値段も商品やお店によって異なりますが、それでも、一般的なコットン製品を購入するよりかは割高です。

物価高が続く近年において、オーガニックコットンは財布の負担となりやすいです。

種類が少ない

二つ目のデメリットは、製品の種類が少ないことです。オーガニックコットンが近年注目されてはいますが、それでも栽培する生産者は少ないです。オーガニックコットンが少なければ、自然と使用した製品も少なくなります。

また、オーガニックコットンは化学薬品による染色もできないため、カラーバリエーションも少ないです。

そのため、自分好みの製品を探すのは難しくなります。

洗濯が大変

三つ目のデメリットは、洗濯するのに注意が必要なことです。洗濯機に入れて雑に洗ってしまうと、生地が縮むのはもちろん、繊維が毛羽立って肌触りが悪くなります。

オーガニックコットンは繊維が柔らかいのが特徴なのに、繊維を毛羽立たせてしまっては、折角のメリットが失われてしまいます。洗濯する際は、繊維に負担をかけないよう石鹸で洗うようにしてください。

また、繊維を痛めないよう、天日干しはせず陰干しをしてください。ほかにも、吸湿性が良い反面、乾燥しにくいので、風通しの良い場所でしっかり乾かしましょう。

伸縮性が乏しい

四つ目のデメリットは、伸縮性が弱いことです。コットン100％生地は伸縮性が悪く、着ていて窮屈に感じることもあります。

窮屈に感じるのが嫌な人は、ワンランク上のサイズを選ぶなどの対応が必要です。

まとめ

オーガニックコットンのメリットは、肌触りが良いことです。繊維が柔らかいため、下着やマスクなろ、直接肌に触れる製品におすすめといえます。保温性や保湿性も高く、寒い日でも快適に過ごせるでしょう。

一方デメリットは、購入しにくいことです。値段が高いのはもちろん、種類が少なく好きなデザインを選びにくいです。洗濯の手間や伸縮性の悪さもあり、人を選ぶ製品といえます。

とはいえ、着心地の良さは比べものになりません。伸縮性の低さも、運動をするわけでもなければ気にならないでしょう。

本当の良さは、実際に使ってみないとわからないものです。少しでも気になる人は、まずは試しで購入してみてください。