自給自足生活を始めるには？自給自足生活の特徴を紹介

ストレス社会といわれる近年。普段の生活にストレスを抱える人はたくさんいます。「ストレスを解消するため散財し、散財してお金がないため仕事をする」といった負のスパイラルを抱える人も多く、日常生活に疑問を抱える人も多いことでしょう。

そのような、社会に疑問をもち疲れている人は、自給自足生活を考えてみると良いです。自給自足とは、すべてのサイクルを自分で完結させることであり、お金が不要になることから社会に捕らわれる必要がなくなります。わずらわしい人付き合いも不要となり、精神的に解放感も得られるでしょう。

自給自足をするには、何が必要なのか。自給自足生活について紹介します。

自給自足生活の定義

自給自足とは、自身で必要なモノを供給し、自身を満足させる行動のことです。食事はもちろん、衣類の調達や住居の改装なども含め、すべて自身の能力だけで実行します。

自給自足生活をするためには、食品や生活雑貨を購入したりはせず、自分で育て作っていくことが大切です。

とはいえ、すべて自給自足をするのは困難を極めます。作物を育てるのはともかく、塩や鉄などを一から生成するのは、あまり現実的とはいえません。個人でできる範囲は限界があり、能力と時間的に不可能ともいえます。

そのため、ある程度は妥協することも大切です。自給自足生活はあくまでも「自身を満足させる」ための生活であり、生活をツラく不便にするのが目的ではありません。できないことや割に合わないことは無理に頑張らず、柔軟に対応してください。

もちろん、余裕があれば挑戦してみるのも良いでしょう。釘や接着剤を使わなくても、「ほぞつぎ」で組み立てれば椅子を作れます。狩りをしなくても、鶏を育てれば問題ありません。

自給自足を難しく考える必要はありません。大規模なDIYだと思って生活を楽しむことが、自給自足生活を成功させるポイントといえます。

自給自足生活のメリット

自給自足生活のメリットは、社会のしがらみがないことです。会社に勤める必要がないため、満員電車などに苦しむことがありません。人間関係も最小限で済み、ストレスフリーな生活が送れるでしょう。

また、作る楽しさもあります。自給自足生活では、すべてのモノを自分で育てる必要があります。作物を育て収穫し食べる喜びは、都会の生活では味わえない体験です。

他にも、DIYをすることでモノに愛着がわくなど、自給自足生活によって生きている実感が持てます。

自給自足生活のデメリット

自給自足生活のデメリットは、すべて自分で用意する必要があることです。都会での生活のように、何でも購入すれば済むわけではありません。

食べ物はもちろん、家具や薪など、必要なモノはすべて自分で用意する必要があります。

面倒なのはもちろんですが、何より体力を使います。生活を続けていけば自然と体力がついてきますが、それまではとてもツラく感じるでしょう。

他にも、都会と比べ、様々な事で不便を感じやすいです。コンビニや遊ぶ場所がないのはもちろん、病院なども車で遠出しないと見当たりません。

虫と獣による被害や自然災害も、都会にはなかった問題といえるでしょう。

都会生活と比べ精神的な解放感は味わえますが、逆に不便であることから肉体的には窮屈に感じやすいです。

自給自足生活に必要なこと

自給自足生活を始めるためには、最低でも以下のモノ・事は抑えておきましょう。

初期費用

自給自足を始めるためには、初期費用が必要です。土地や家の購入代金はもちろん、苗木や農具の購入費用など、何かと物入りとなります。

場合によっては、太陽発電をするためのソーラープレートや、湧き水をひくためのパイプなども必要になってくるでしょう。インフラが整っていないからこそ、初期費用も多くなります。

自給自足生活には何が必要かをしっかりまとめ、必要経費を計算してください。

農業の知識

自給自足生活では、農業が基本となります。そのため、ある程度の農業知識がないと、生活ができません。

畑の耕し方や作物の育て方、連作障害や病気の対処法など、収穫できるまでの知識を使えるようにする必要があります。虫や獣の被害も考えられますので、それぞれの対処方法も必要になるでしょう。

他にも、薪の集め方、羊や鶏の育て方、湧き水のひき方、改装のやり方、DIYの方法など、必要になる知識や経験は多いです。

見切り発車で生活を始めず、どのような生活にするかをしっかり考え、その生活に必要な知識や経験を身に着けてから自給自足生活を始めてください。

車

自給自足生活は、主に田舎での生活となります。そのため、移動を快適にするために足が必要不可欠です。

もちろん、自転車やバイクなどでもいいですが、二輪では物が運びにくいです。建材や農具などを運び入れるためにも、車が必要となります。

自給自足の始め方

自給自足生活はどのように始めれば良いのか。基本的な流れを紹介します。

移住先を選ぶ

まずは移住先を探します。基本的には、「土地が広い田舎」であればどこでも問題ありません。田舎は土地が余っている場所が多く、簡単に見つかると思います。

おすすめの地域は、関東や近畿など寒暖差が少ない地域です。都会生活とは異なり気軽に冷房や暖房は使えないため、気温はとても重要になります。

また、川や海にアクセスしやすい場所なら、魚も楽しめます。山が近ければ、許可をもらって山菜取りもできるでしょう。

他にも、移住支援を行っている地域もねらい目です。住居や土地が簡単に手に入るのはもちろん、生活基盤がそろっているため、移住後が楽になります。

「移住場所はどこも同じ」とは思わず、環境や支援などをしっかり吟味してください。

試しで住んでみる

移住先が決まったら、数か月〜1年ほど実際に住んでみてください。住んでみないと分からないことは多く、完全に引っ越してから気が付いても遅いです。

自給自足生活自体できるかどうかも分かりませんので、まずはお試しで自給自足生活を始めてみてください。

そして、問題があれば移住先を変えたり自給自足生活を諦めたりし、問題がないようなら本格的に荷物を移し、自給自足生活を始めましょう。

自給自足生活での収入は？

自給自足といっても、全くお金を使わないわけにはいきません。衣類や苗木を購入したりなど、ある程度の出費はかかります。快適に過ごすためには電気や水といった光熱費も必要となり、無収入での生活は難しいです。そのため、自給自足生活でも収入を確立する必要があります。

売って収入を得る

一つ目の方法は、販売による方法です。作ったモノを道の駅などに置いてもらい収入を得ます。いわゆる個人農家と同じであり、昔ながらの自給自足方法といえるでしょう。

販売場所がなくても、近年はインターネットによる販売も行われています。工芸品やアクセサリーなどのハンドメイド品の場合は、フリマアプリやオンラインショップで販売すると良いかもしれません。

経営をして収入を得る

二つ目の方法は、経営による方法です。自家野菜を使った飲食店を経営し収入を得ます。自給自足とは少し異なりますが、半分趣味のようなのんびりした経営が楽しめるでしょう。

ただ、飲食店の経営は簡単ではありません。田舎であることが原因で、人が来ないからです。近所の人たちなら来てくれるかもしれませんが、それだけでは赤字となります。

経営での収入を考えるなら、何度も足を運びたくなるような、珍しさと美味しさを売りにする必要があるでしょう。

勤めて収入を得る

三つ目の方法は、企業に勤める方法です。都会での生活と同じように、道の駅や役場などに勤め収入を得ます。

近年は在宅ワークも普及しており、パソコンがあれば田舎でも仕事がしやすいです。安定した収入が得られ、いつまでも自給自足生活が続けられるでしょう。

社会に疲れて自給自足を選んだ人にとっては本末転倒かもしれませんが、自給自足である分毎月の出費は少なく、パートやアルバイトといった気軽な立場でも、問題なく生活できます。

都会でも自給自足生活は可能？

都会でも、自給自足生活をすることは可能です。プランターや屋上菜園などを駆使すれば作物を育てられますし、買い物をするのなら都会の方が便利といえるでしょう。

ただ、やはり田舎と比べると難しくはあります。プランターや屋上菜園では限界がありますし、土地を購入しようにもお金がかかります。郊外なら多少は安くなりますが、距離が遠いと育てるのが億劫になるでしょう。

不可能ではありませんが、田舎生活と比べるとできることが限られてしまいます。本格的な自給自足を目指すなら、田舎暮らしを検討してください。

まとめ

自給自足生活は、土地さえあれば誰でもすぐに始められます。農業をすれば食べ物は作れますので、すぐに仕事を辞められるでしょう。

ですが、そのためにも農業に関する知識が必要です。作物が育たなければ食べ物が手に入らず、生活することがままなりません。

また、快適に生活するためには、環境を整えることも大切です。電気を使うためにソーラーパネルを入れたり、寒さ対策をするため薪ストーブを用意したりなど、いろいろな準備が必要です。

他にも、収入についてなど、いろいろ考える事があります。「自給自足生活は誰でもすぐに始められる」といいましたが、続けていくためには、様々な準備が必要なのです。

自給自足生活をすればストレスフリーな生活を送れますが、決してメリットだけではありません。デメリットもよく調べ、そのうえで、自給自足生活を考えてみてください。