シンクロニシティとはどんなこと？現象が生じる仕組みについて紹介

「偶然が重なった」経験はありませんか？「友人と旧友について話した翌日に、偶然その旧友と出会った」といったように、偶然が重なると、なにか特別な気がしてきます。特に、その偶然が関係することだと、運命的な予感も感じられるでしょう。

そのような偶然のことを、心理学などの世界では「シンクロニシティ」と呼びます。偶然が重なるのは、本当にただの偶然なのでしょうか？何か特別な理由があるのかもしれません。

シンクロニシティとはどのような現象の事を指すのか？現象の理由について説明します。

シンクロニシティとは

シンクロニシティとは、心理学者であるユングが提唱した「意味のある偶然の一致」のことです。「一見すると無関係そうな二つの出来事でも、調べてみると結果的に因果関係が生じる」といったように、関係ある二つの偶然が重なる現象の事を指します。

有名な例としては、「虫の知らせ」が挙げられます。よくテレビなどで、「危機が迫ることでコップが割れる」といった演出がされますが、「持ち主」であることを因果関係に、「コップが割れる」ことと「危機」の偶然がつなげられています。

他にも、「相手の事を思いながら出かけたら、街中で遭遇した」「合コンで出会った異性が同郷だった」など、偶然が重なった経験がある人もいるのではないでしょうか？

そのような不思議な現象のことを、心理学やスピリチュアルの世界では、シンクロニシティと呼ぶのです。

シンクロニシティの仕組みと理由

一見すると、シンクロニシティは全くの偶然といえます。ですが、偶然に偶然が重なるのは珍しいことであり、その現象には理由があると考えられています。

シンクロニシティはなぜ生じるのか。心理学とスピリチュアルの両面から考えてみましょう。

心理学のシンクロニシティ

心理学では、シンクロニシティが生じるのは「集合的無意識」が関係していると考えられています。

集合的無意識とは、「無意識の深層に位置する、本能的な普遍的無意識」のことです。一般的な無意識よりもさらに本能的な部分であり、「人間」であることで共通した無意識を持っています。

一般的に、人は成長によって意識が変化します。礼儀正しい家庭で育てばテーブルマナーは当たり前であり、意識せずとも自動的にテーブルマナーを守ると思います。他にも、靴の整え方、人との話し方、歩き出し方など、今までの成長が元に無意識が形成されていくのです。

ですが、中には教育をせずとも、初めから持っている意識・認識があります。「時間が経てば夜になる」「水を飲めば量が減る」「人を殺すのはダメ」といったように、誰もが当然のように感じているでしょう。

このような「当然」と呼べる意識は、教育ではなく遺伝子に組み込まれた意識と考えられています。「人類」が持つ意識であることで、誰もが共通して持っているのです。

そして、シンクロニシティも、この共通意識によって生じます。同じことを切っ掛けに同じように相手も考えることで、偶然が一致するわけです。

スピリチュアルのシンクロニシティ

スピリチュアルの世界では、シンクロニシティが生じるのは「高次元の存在」が関係していると考えられています。

高次元の存在とは、私たちが住まう次元よりも、さらに上の次元に存在する者のことです。一般的には神様や仏様と呼ばれる存在であり、神様などの意思によって引き起こされます。

シンクロニシティが生じるのも、神様がそのように起こしているからであり、何かしらのメッセージが込められているとされています。

他にも、二人の波長が合致したためといった考えもあります。いわゆる「縁ができた」状態であり、互いの考えなどがシンクロすることで、偶然が重なるのです。

例で挙げた「危機が迫ることでコップが割れる」のように、集合的無意識では説明が難しいシンクロニシティは数多く存在します。そのような事例は、もしかしたら超常的な力が働いているのかもしれません。

シンクロニシティが生じたらどうすれば良い？

もし、身近でシンクロニシティが生じた場合は、どのように対応すれば良いのでしょうか？

特に気にしない

心理学的に考えるなら、特に気にする必要はありません。集合的無意識とは、つまるところ「同じことを考えていた」ことと同じであり、それ以上に特別な意味はないからです。

「珍しい事があった」と思って、一つずつ対応していきましょう。

意味を考え行動に反映する

スピリチュアルな影響として考えるなら、生じた意味を考えてみると良いです。シンクロニシティは高次元からのメッセージであり、何かを伝えるために発せられます。

「危機が迫ることでコップが割れる」といった事例も、「危機を知らせてくれた」「心構えを持つように仕向けた」といった見方ができるでしょう。

関連性を考え、今後の行動に活かすようにしてください。

新しいことを始める

シンクロニシティは、偶然が重なる珍しい現象です。そのような現象に合うのは運が良いことであり、運気が向上していることから、新しいことを始める人もいます。

主な例としては、新しい恋の始まりです。「合コンで出会った人と同郷」であることを切っ掛けに、アプローチを始めてみるのも良いでしょう。

他にも、シンクロニシティの内容とは関係なく、転職や資格の勉強を始めてみたりなど、シンクロニシティを一つの区切りとして考えてみてください。

セレンディピティとは

シンクロニシティに似た言葉として、セレンディピティと呼ばれるものもあります。

セレンディピティとは、「偶然の産物」を意味する言葉です。日本のことわざにある「棚から牡丹餅」のように、「思いがけない幸運や出来事を得る」際に使われます。

「偶然」が関係する部分はシンクロニシティと同じですが、現象を指すシンクロニシティに対して、セレンディピティは結果を指します。内容もそれぞれ異なり、語呂が似ているだけで別物といえるでしょう。

まとめ

シンクロニシティが生じる理由は、集合的無意識が関係しているからです。それぞれが同じタイミングで同じ事をするため、シンクロニシティが発生します。

また、神様の意思といった見方もあります。集合的無意識によってタイミングが合うのも、神様がタイミングを示したからであり、その行いには何か意味があります。理由を読み解くことで、良い結果を得られるでしょう。

シンクロニシティが生じた際には、ただの偶然として片づけず、特別な出来事と考え行動してみてください。