言霊で人をポジティブにできる？言霊の意味や仕組みを解説

言葉には、特別な力があるのを知っていますか？言霊と呼ばれる力であり、言葉の内容が実際に影響すると考えられています。

また、言霊には人の気持ちや感情を操作する力もあり、使い方によっては人をポジティブにもネガティブにもすることが可能です。

言霊とは何なのか。力の仕組みを紹介します。

言霊とは

言霊とは、言葉に宿る見えない力の事を指します。昔から、言葉には霊が宿ると考えられており、その霊の力によって、言葉にした内容が実現するとされてきました。

少々大げさな例ではありますが、「宝くじが当たる」と言葉にすれば、実際に宝くじが当たるといった感じです。

万葉集の中には「言霊の幸わう国」とも表現されており、言霊は昔から日本文化に根付いています。

ただ、全ての言葉に言霊が宿るわけではなく、祝詞や呪詛といった、特別な言葉にのみ宿るとも考えられているのです。

言霊の仕組み

言霊は、言葉の意味による感情の変化を与えます。

例えば、気になる異性から「好き」といわれたら、受け取った方としては嬉しく、気分も舞い上がります。人によっては調子も良くなり、勉強や仕事の能率も良くなるでしょう。

逆に、気になる異性から「嫌い」といわれたら、受け取った側としては哀しく、気分も落ち込みます。人によっては調子も悪くなり、勉強や仕事の能率も悪くなると思います。

以上のように、言葉には相手の感情を変える力があります。良い言葉を聞けばポジティブになりやすく、逆に悪い言葉を聞けばネガティブになります。

感情を込めていえば特に効果的であり、繰り返し伝えることで洗脳も可能です。人は感情によって体調も変化するといわれており、仮に毎日「君は呪われている」といわれると、次第に体調が悪くなるのです。

「言葉が現実になる」事については誇張がありますが、言葉で相手を操作するのは難しくはなく、使い方によってはとても危険な力といえるでしょう。

言霊の正しい使い方

使い方によっては危険な言霊ですが、包丁やナイフなどと同じで、使い方次第では良い結果をもたらします。

例えば、受験を目指す人に「頑張れ」と応援すれば、その言霊はやる気を与えます。落ち込んでいる人に「大丈夫？」と声をかけてあげれば、気持ちも前向きになるでしょう。

他にも、怪我をした子供に「痛いの飛んでけ」とおまじないをすれば、気持ち的な痛みは和らぎます。「相手を思いやる」という言霊は、人を幸せにしポジティブにさせるのです。

また、言霊は目標を立てる際も効果があります。夏休みの課題を終わらせる時に「7月中に終わらせる」と毎日声を出すことで、目標を意識しやすくなりやる気も出てきます。

似たような例として、「鏡に向かって挨拶や褒めることで、自律神経が改善し、うつの治療や美容効果も期待できる」ともいわれています。

言霊は自分にも効果があり、内容を自覚し目標とすることで、気持ちや体質を変える事ができます。

「やる気が出ることで成し遂げられる」と考えるなら、「言葉の内容が実際に影響する」といった内容も、ある意味、本当だといえるのかもしれません。

言霊による名前の影響

言霊は、言葉だけではなく名前にも影響を与えます。「名は体を表す」というように、名前による言霊によって、人柄や考えが変化します。

また、昔は「真名（本当の名前）が知られると呪われる」とも考えられており、権力者は名前を隠していたそうです。有名な例だと「卑弥呼」が該当します。

他にも、アイヌ民族の間では「悪い神様に攫われないよう、幼少期の名前に下品な名前を付ける」といったように、名前には重要な意味があると考えられていました。

近年でも、名前による言霊は信じられており、静かな子に育ってほしいから「凪（なぎ）」、努力する人に育ってほしいから「努（つとむ）」といったように、漢字の意味から名前を決める親は少なくありません。

自覚していない人は多いですが、名前は最も身近な言霊といえるでしょう。

海外の言霊

海外にも、言霊という考えが存在します。英語では言霊のことを「Power Of Words」と呼び、「言葉の力」という意味があります。

キリスト教などによる「祈りの言葉」も言霊の一種であり、宗教の盛んな国はもちろん、それ以外の国でも、言霊の考えは浸透しています。

言霊を無責任に使わず正しく使おう

たかが言葉と思うかもしれませんが、言葉には力があります。内容一つで相手に影響を与え、繰り返し伝えることでその効果は倍増していきます。

近年話題となる「いじめ」も、言霊による影響が大きいです。繰り返し罵声をいわれることで鬱になり、自殺を選んでしまう人も少なくはありません。

一方で、言霊には人に活力を与える力もあります。大切な場面で応援されれば、やる気も漲り良い結果を残せるでしょう。

言霊は、誰でも使うことができますが、絶対に無責任に使ってはいけません。いわれた側が嬉しくポジティブになれるよう、内容を選んで使ってください。