睡眠前におすすめの飲み物は？水分補給が必要な理由とは

睡眠前には水分補給をしていますか？よく「トイレで起きないよう水分補給は控える」といった話を耳にしますが、実際には、「熟睡するためには水分補給が必要」といわれています。

一見すると、夜中に目を覚まさない方が熟睡できるようにも思えますが、なぜ水分補給が必要なのでしょうか？

睡眠前に飲み物を飲む理由や、おすすめの飲み物などについて紹介します。

睡眠前に飲み物を飲む理由

睡眠前には、以下の理由から飲み物を飲むことをおすすめします。

夜中に汗をかくため

睡眠前に飲み物を飲む理由は、夜中に汗をかくためです。人は、睡眠時に約コップ1杯分（200ml）の汗を流すといわれており、その分の水分を補給する必要があります。

人は、汗によって体温調整をします。ですが、水分不足になると汗をかきにくくなり、体温調整が上手くできません。熱がこもって暑くなることから寝苦しくなり、睡眠の質を下げてしまいます。

そのような事態を防ぐためにも、睡眠前の水分補給はとても大切です。

深部体温を上げるため

睡眠前の飲み物は、ホットでいただくと良いでしょう。暖かい飲み物を飲むことで、体が温まり、睡眠の質を良くします。

体を温めることは、副交感神経を優位にすることでもあります。副交感神経は休むことを指示する神経であり、熟睡するためにとても大切な要素です。

体がポカポカすることで気持ち良く、リラックスした状態で眠ることができるでしょう。

睡眠前におすすめな飲み物

睡眠前には、以下の飲み物がおすすめです。

白湯

白湯とは、「一度沸騰させたお湯」の事です。ただ温めたお湯とは違い、一度沸騰させることで、塩分などの水に含まれる成分を除去し飲みやすくします。

白湯の特徴は、内臓に負担がないことです。沸騰によって余計な成分が除去されるため、消化するための胃腸や、濾過するための腎臓などに負担を与えません。

もちろん、コップ一杯程度なら微々たるものといえますが、負担を極力抑えることで、体の内側からゆったりと休めることができます。

他にも、カロリーがないことから、ダイエットにもおすすめです。睡眠時は代謝が落ちることからカロリーが消費されにくく、脂肪として付きやすくなります。例え少量であっても、ダイエット中はあまりカロリー摂取はしたくはないでしょう。そのような意味でもカロリーゼロの白湯はおすすめです。

ハーブティー

ハーブティーには、様々な効果が期待できます。オレンジフラワーやカモミールなど、自律神経を落ちつかせてリラックスさせる種類もあり、睡眠前に飲めば熟睡することが可能です。

香り自体も心地よく、気持ちよく眠れるでしょう。

ただ、ハーブによっては覚醒効果のある種類もあります。選ぶ際には、効果をよく確認するようにしてください。

生姜湯

生姜には、血行を促進させ体を温める「ショウガオール」が含まれています。生姜をすりおろした生姜湯を飲むことで、体の中から温め睡眠の質を上げてくれます。

寒い冬場、特に冷え性の人におすすめの飲み物です。

甘酒

甘酒には、睡眠を促進させる「アデノシン」が含まれています。米麹に含まれるペプチドによって血行も促進され、睡眠前に飲めば熟睡できるようになります。

また、甘酒は美容にも効果的です。甘酒に含まれる「麹菌」が腸内環境を改善し、翌日のお通じを良くします。免疫力も向上し、体を健康にしてくれます。

トマトジュース

暑くて寝苦しい時には、トマトジュースがおすすめです。トマトには、体温を下げるカリウムが含まれており、体温を下げることで寝苦しさを改善します。

ただ、飲み過ぎると体と内臓を冷やし過ぎてしまいますので、飲み過ぎには注意が必要です。

睡眠前におすすめしない飲み物

おすすめの飲み物とは逆に、以下の飲み物は睡眠の質を下げてしまいます。寝る前にはおすすめしない飲み物です。

コーヒー

コーヒーには、交感神経を優位にして興奮状態にする「カフェイン」が含まれています。睡眠前に飲むと脳が覚醒してしまい、睡眠の質を下げてしまいます。

また、カフェインには利尿作用もあります。トイレに起きる回数も増えてしまい、睡眠の妨げになるでしょう。

緑茶

緑茶にも、コーヒー同様に「カフェイン」が含まれています。寝る前に飲むことで覚醒してしまい、睡眠の質を下げてしまうため注意が必要です。

他にも、紅茶やウーロン茶などのお茶類や、ホットチョコレートやホットココアなども、カフェインが含まれているためおすすめしません。

アルコール

アルコールには強い利尿作用があり、睡眠前に飲むことでトイレで起きやすくなります。

また、アルコールを分解する際には覚醒作用である「アセトアルデヒド」が分泌され、眠りを浅くします。

よく「アルコールを飲むと熟睡できる」といった話も耳にしますが、あくまでも、アルコールによって脳が麻痺し眠くなるだけで、熟睡できているわけではありません。

アルコールは睡眠の質を下げる飲み物ですので、寝る前には控えるようにしてください。

ホットミルク

睡眠前の飲み物として有名なホットミルクですが、実際にはあまりおすすめされていません。ホットミルクには脂質が多く、寝る前に飲むと、脂質の消化に時間がかかり、その間は内臓を休ませることができないからです。

起床時に体がだるく感じる事がありますので、寝る前には控えた方が良いでしょう。

ただ、牛乳には入眠を促す成分が含まれるのは事実です。正確には、牛乳に含まれる「トリプトファン」が「セロトニン」へと変換され、セロトニンによって入眠を促す「メラトニン」が分泌されるのですが、その過程には時間がかかり、寝る前に飲んでもメラトニンの生成に間に合いません。

ホットミルクを飲む場合には、寝るタイミングに合わせるためにも、睡眠の約1時間～2時間前に飲むようにしてください。

睡眠前の注意点

いくら睡眠前に飲んだ方が良いとしても、飲み過ぎると、トイレが近くなり夜に目が覚めてしまいます。

夜中に起きることで熟睡できませんので、飲み過ぎには注意してください。

目安としては、コップ1杯が適量です。睡眠時にはコップ約1杯の汗を流しますので、その分の水分を摂取します。

夜中に目を覚まさないためにも、摂取量は意識してください。

まとめ

睡眠前に飲み物を飲む理由は、睡眠時に乾燥をしないためです。睡眠時は汗をかくため、水分補給をしておかないと体が乾燥してしまいます。汗も出にくくなることから体温調整も悪くなり、睡眠の質を下げてしまうのです

睡眠前には、白湯、ハーブティー、生姜湯、甘酒など、体を温める飲み物がおすすめです。夏場の暑い日には、逆に体を冷やすトマトジュースでも良いでしょう。

熟睡して疲れを翌日に残さないためにも、寝る前の水分補給を心がけてください。